木力館ブログ

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本物の健康住宅とは?

 関東地方では梅雨も明け夏本番といったところですが、皆様いかがお過ごしですか。週末は遠出も結構なことですが、木力館にもぜひお越し下さい。「埼玉県ものづくりスタンプラリー2009」が開催され、木力館も参加しております。皆様のご来場をお待ちしております。

 さて、今回は「本物の健康住宅とは?」と題してお話しをさせて頂きます。前回のブログ記事と内容が若干重複する部分が有りますので、宜しければ前回の記事もご覧下さい。

 「健康な住宅を」
 最近よく耳にすることばです。
「お子様やお年を召した方にも快適で健康なすまいを」
 こんなフレーズのキャッチコピーが、大手ハウスメーカーの住宅展示場やwebサイトなどで見られるかと思います。
 確かにきこえは良いですし、「快適で健康に暮らせる」ならそれが一番じゃないか、と言う意見が有ります。もっともな事です。但しここで安易に惑わされたり間違えて欲しくないのが、「快適」と「健康」の比重、そしてそれらは何を基準にしているのか、と言う事です。不躾ながら続けます。

 「快適」であること。それは一年を通して最適な温度に保たれた空調、広々としたリビングやお風呂、使い勝手の良いキッチンやトイレなど、さまざまです。現在ではこうした住宅設備は日進月歩の勢いで進化し、優れた機能をもつものが次々と製造されています。それ自体は良いことですし、ユーザーにしても嬉しいことでしょう。
 しかし、それらが全て「健康」な住まい、「健康」な暮らしにつながるのでしょうか? 私(おやじ)は疑問に思います。

        木力館の構造。木力館は伝統工法を用いて「骨組み」を見せるつくりになっております。

 昔は今のような空調をはじめとした住宅設備などありませんでした。よって、自然をありのまま受け容れ、また限りある資源や方法から知恵を絞り工夫を重ね、自然と共生してきました。
 夏は暑く、冬は寒い。
 当たり前の事が当たり前であり、また、それをしのぐ為の暮らしの知恵、住まいづくりのノウハウが積み重ねられ、やがてそれは「伝統的」といわれる家のつくりや暮らし方になりました。

 古来より日本(とりわけ本州)では、夏の高温多湿な環境を乗り切る為に、夏を涼しく過ごす事を第一に考えた家づくりがされてきました。端的に言えば「風通しが良いつくり」です。窓を開けて風を通し、流れる風で涼をとりました。当然冬は隙間風などで寒いですが、そういう季節は人が服を着込んだり、囲炉裏などで暖を取り、暮らしてきました。こうして、春夏秋冬、変わり行く季節を体感しながら、人は自然と共に暮らして来た訳です。

 私(おやじ)の個人的な意見としては、現在の快適な住宅設備は、この「自然との共生」に真っ向から挑むものと思えます。夏の暑さは空調で部屋の中だけ涼しくして、冬の寒さは暖房で年中暖かに。汗をかくことも寒さを肌で感じる事もない、まさに「温室」なつくりです。それは果たして、本当に人にとって良いのでしょうか? 人は本来「生き物」であり「動物」でもあります。ですから、こうした人工的な環境では、人間が本来持つ免疫機能や、環境に適応するさまざまな能力が鈍り、失われるのではないか……、そう思えてならないのです。

 もちろん、傷病の方や身体の弱い方など人もそれぞれですから、一概にこうと決める事は出来ません。例えば病院内などでは一定の環境にされますし、幼児や高齢者など比較的身体の弱い方に無理をさせる事はもってのほかです。また最近の地球温暖化とやらで夏場は大変に暑く、屋外はもちろん家の中に居ても熱中症や脱水症状が起きる程ですので、暑い日にクーラーをつけずに我慢しろと言うのも無謀な話です(それこそ命に関わります)。外の空気が汚い(交通量の多い幹線道路沿いなど)ので窓を開ける事などとんでもない、と言うお宅もあるでしょう。家の立地条件も十分に考えなければなりません。

 ですが、物事すべて1か10ではなく、……例えば1と10の間には3や4、7や8があるように、過保護過ぎる・余計なものをちょっと削ぎ落とし、少しは季節を感じる……少々汗をかき肌で少し寒さを感じるような、そんな「季節を感じる」家づくりを考えてみるのは如何でしょうか。私(おやじ)が言いたいのはそういう事です。
 勿論「昔の家や家づくりの方法が“全て”良かった」などと言うつもりは毛頭ありません。それなりに欠点も多かった事は事実です。しかし現代の家づくりは「快適さ」ばかりを追求したがために、失ったものも多いのではないか、そう思うのです。
 他にも家の工法ひとつとっても、金物頼りの工法や、外国産の木材が8割を超える「木造住宅」など、本当に健康に良いのかどうか、自然環境そして日本の林業にとって良いのか、判断が難しいものが増えています。

 ですから、これから家づくり(やリフォーム)をお考えの皆様には、「本当に健康な住宅とは何だろう」と考え、いろいろな知識を身につけて頂きたいのです。
 例えば伝統的な構法・工法を部分的に取り入れたつくり、構造躯体だけは伝統的工法など、家づくりのアプローチや着地点はそこに住む人により様々です。
 現代の建築士や設計士、大工さんも日々試行錯誤を繰り返し、より良い家づくりを目指しています。家づくりを1から10まで全てハウスメーカー任せにせず、部分的にでも結構ですので、色々と考えてみては如何でしょうか。

 やや観念的・思想的な話になり恐縮ですが、今回のブログが皆様に「真に健康な家づくりとはなんだろう」と考えて頂く切欠になれば幸いです。
 木力館では、埼玉県の木や林業に関する様々な情報を発信しております。ぜひお気軽にお越しいただき、木についての知識を体感して下さい。お待ちしております。

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