館長 木を語る

館長 木を語る

21.木の種類は何種類あるの?

 木力館にご来館された皆様から、特にお子さんから「木は何種類あるの?」と言う質問を受ける事が有ります。これには館長の私(材木屋のおやじ)も困ってしまいます。

 どうして困るのか。それは「木」と言う「生き物」がどう言う生物かと言う事から、色々考えていなかければならないからです。館長の私は材木屋のおやじですから木を「材」として扱う事は多少なりとも自信は有りますが、木について科学的な事となると、私自身もまだまだ勉強しないと、といつも思います。

東南アジアの熱帯雨林

 では、答えをこれからお話ししましょう。

 木は一体何種類あるのか? 「正確な数は分からない」と言うのが正直な答えです。

 理由はいくつかあります。詳しくお話ししましょう。

 まず、学者の間で植物のどこからどこまでを「木」とするのか論争があるので、学者によって「木」とする植物の範囲が違ってきます。

 次に、2016年にイギリスの民間団体が全世界の植物園に問い合わせを行い木の数を割り出しました。その時は約6万種以上の木が全世界にあるとされましたが、その後も世界中で新種の木が続々と発見されているので「正確な数は分からない」と言うのが答えです。

 ちなみに、日本は南北に長い地形で土地の標高差もあるため各地の気候が案外違います。そのため多くの植物や木が生えており、全世界の木の約1割程の木が生えているのでは、と言う説が有ります。その中で名前が知られている木は約1500種類、更に何らかの製品や道具、工芸品、建築等の材料として使われる木は約100種類くらいではないかと言われています。これらの数も諸説あり、例えばインターネットで検索して調べても様々な数字が出て来るかと思います。

埼玉県内の森林の様子。

 余談ですが、埼玉県内には何種類木が生えているかご存知ですか? 埼玉県森づくり課によると、およそ464種類だそうです。主に植林された杉やヒノキが多いですが、他にはナラなどの広葉樹も多いです。ちなみに草はおよそ1628種類あり、草木の合計は2092種類が確認されているとの事です。埼玉県は意外に木や草が多い土地柄なのですね。