館長 木を語る

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8.日本の住宅について

さて、今回は日本の住宅について、お話しさせていただこうかと思います。

日本に古くから伝わる伝統工法は、骨太な柱や梁といった構造駆体を”見える”様に使ったものです。特に、柱がじかに見える「真壁工法」でありました。
日本の杉、桧と言った材は、世界的に見ても木目が美しく、色合いの良さが特徴のひとつです。
雪の多い地域や海風の強い地域などでは強い建物をつくる為、耐震構造計算の2~3倍以上もの駆体を使って家を建てるところもあります。
これらを贅沢に使った家は丈夫で長持ちし、見た目にも美しい、まさに力強く安心で、健康的な住宅と言えるものです。

骨太な材を使った古民家

現在の住宅は、構造駆体が見えない「大壁工法」が主流です。柱や梁は壁や天井板で隠され、見る事が出来ません。
また構造駆体にも外国産で小骨な木材が使われ、住む人も「何の木を使っているか」「どんな構造であるか」知らない、分からないといった例が増えております。由々しき問題です。

日本の杉、桧の良さを見直す機会として、家の骨組みから考えてみる事を提案したいと思います。日本には良材が各地に多く有ります。腕の良い大工さんもまだまだ居ります。構造駆体(骨組み)が見える家というのも、安心出来るものかと思います。
一度で良いので、真壁工法で作られた家を見て、その良さを再発見してみましょう。ちなみに木力館は全て真壁工法で出来た「木のモデルハウス」です。こちらもご覧頂ければと思います。

ぜひとも、杉、桧の良さをもう一度見直してみてください。