木力館のとりくみ

学校でのとりくみ

積み木寄贈の取り組みについて

木力館は、平成30年度(2018年度)にさいたま市内の公立の保育園61か所、春日部市の公立保育所10か所、越谷市の公立保育所18か所に、それぞれ埼玉県産の桧(ヒノキ)と杉で作った積み木を寄贈いたしました。今回はその取り組みについてお話しいたします。

各所に寄贈した、埼玉県産の桧(ヒノキ)、杉で作った積み木

皆さんは日々の暮らしの中で、水と空気の大切さを感じた事はありますか? きれいな水と空気が豊富にある日本ですが、逆に身近なものゆえに「かたち」がみえづらく、その大切さが伝えにくいと思います。水と空気が有る事を「当たり前」と考え、水と空気のありがたさを感じない人が多いのが現状ではないでしょうか? 木力館で、また出張授業等でお客様、生徒さんなどにお話ししているとそんな印象を受けます。

水と空気は、人間が生きていくうえでなくてはならない大切なものです。これを担っているのが森林です。森林は降った雨水を山肌に浸透させ蓄え、ゆっくりと自然にろ過する事で水をおいしくしてくれます。
また森林は、空気中の二酸化炭素を吸い込んで酸素を出し、空気をきれいにしてくれます。このように森林は、人間が生きていくうえで大切なものです。しかし近年は、国内の木材需要が減少し山の森林は荒廃しております。そこで、山の森林を守ること、すなわち山の管理(手入れをすること)が重要です。

その為には、木を使い、そこにまた植林して育てる、このサイクルが大切です。木は、これからの循環型社会に適した素材です。また木を育てる、手入れをする事は、山林の土砂流出など自然災害を防ぐうえでも大切な事と考えております。

今回さいたま市、春日部市、越谷市内の各保育園にて、実際に埼玉県産の木材を(積み木の玩具というかたちで)使って頂くことで、木の大切さ、自然環境のつながり、そして木の持つ魅力(見た目、手触り、温もり、香りなど)を、お子さんはもちろん、親御さんや職員の方にもぜひ五感で体感して頂きたく存じます。
これをきっかけに、国産材、県産材を使った循環型林業、循環型社会の実現に貢献できればと考えております。

お子さんに対する「教育」「食育」は以前から言われておりますが、木についても、学び、知る「木育(もくいく)」を加えて頂ければ幸いです。埼玉県産材を使った積み木遊びをきっかけに、県産の木、自然環境に興味を持って頂ければ幸いです。

また、今回の取り組みに関しては、ありがたいことに各市より表彰して頂き、感謝状を各市の市長より直々に頂きました。

積み木寄贈の表彰式(さいたま市、清水勇人市長より)
積み木寄贈の表彰式(春日部市、石川良三市長より)
積み木寄贈の表彰式(越谷市、高橋努市長より)

なかでも春日部市からは、感謝状の贈呈式で保育園の園児の皆様からも感謝のことばをいただき盛大に行っていただきました。また贈呈式は各新聞や地域のテレビニュース等でも取り上げられました。大変ありがたいことです。

ぜひ積み木でたくさん遊んで、木の魅力を五感で感じ取って頂ければと思います。

今後も様々な活動を通じて、木の魅力、そして木の大切さをPRしていきたいと考えております。どうぞご期待ください。