木力館のとりくみ

家づくりの現場レポート

特別編.「館長の家」現場レポートその2

このたび、さいたま市岩槻区内にて木力館館長大槻忠男が「人生後半の住まい」と題して、平屋建ての日本家屋を建築しました。その模様をお伝えします。

基礎工事から上棟式までの模様をご覧下さい。

第1回の模様はこちらからどうぞ。

建築現場での地鎮祭。

基礎から土台敷き工事の様子。

建て方の様子。

建て方。大黒柱の据え付け。大工さん数人がかりで、慎重に。

建て方。道路側、正面から。まだまだ途中です。

建て方の途中、正面を回って裏側の様子を一枚。

建て方。道路側正面の様子。だいぶ形になってきました。

この時点での、内部の様子。大黒柱を起点に、太い杉の梁と桁が組み合わさっています。周囲の構造は伝統工法「通し貫(とおしぬき)工法」で、「貫(ぬき)」と呼ばれる構造躯体で建物を粘り強く支えます。

上棟式に使う「幣串(へいぐし)」。現在主流の簡素なものでなく、伝統的なかたちのものです。

上棟式。祭壇に幣串(へいぐし)を立てた様子。小屋組の上の部分に祭壇を設け、幣串(へいぐし)を立て、左右に破魔矢(天の弓矢、地の弓矢)を並べます。この後祭壇には海の幸、山の幸(尾頭付きと野菜など)を備えます。古式ゆかしい伝統的なしきたりに則っています。

上棟式の様子。伝統に則った形式で行いました。

上棟式の様子。最近では、家の小屋組の上で行う、と言う事は少なくなった様に思えます。下からその様子を見上げると、平屋建てとは言え、結構高い位置です。

上棟式の後のもちまきの様子。ご近所の方も多くお越し頂きました。この場をお借りして感謝御礼申し上げます。

構造躯体には主に国産材及び埼玉県産材等を使用しております。

「館長の家」は平屋建ての本格的な日本家屋で、この家のテーマはずばり「人生後半の住まい」

です。あえて平屋建てにすることで、暮らしを楽に、そして日本家屋にする事で、伝統の木の家の良さを皆様に伝えたいと思います。

そして今回は、日本の伝統に則ったかたちでの「上棟式」を行いました。
上棟式とは、建物の骨組み(柱、梁、桁など)が完成した後、棟木を取り付ける際に行われる伝統の祭祀で、今回行った神道様式の他に仏教の様式もあるそうです。また地域により、そのやり方も多少異なる点があるとの事です。
今回の現場では、岩槻総鎮守「久伊豆神社」のご神職にお越し頂き、工事の安全を関係者一同で祈念致しました。

上棟式の後は「もちまき」を行いました。
「もちまき」は上棟式の後、集まった関係者やご近所一同に お餅やおひねり(小銭を紙で包んでひねったもの))を投げる行事で、その土地にひそむ悪霊や邪悪な魔物に食べ物を供えて供養し、同時に穀物の霊力によってそれらを祓い鎮めようとしたことが源流にある、とされます。一般的には、近隣の方への福のおすそ分け、工事の無事と家内安全などの意味があると言われております。

近年では上棟式は簡略化されたり上棟式そのものが無くなる傾向にあり、今回の上棟式も当日は近隣の方に多くお越し頂きました。
「もちまきなんてずいぶんと懐かしい」
と言った感想も聞かれました。昔は当たり前に行われていたものが、いつしかなくなってしまう。そうした伝統や風習は多くありますが、木力館としては、伝統の上棟式も、実行する事で残して行きたいと考えております。

「百聞は一見に如かず」と申しますように、本物の木の良さは、五感で体感して知る事が大切です。文章やことばだけでは、木の良さを相手に伝える事はとても難しい。館長の私(材木屋のおやじ)はそう考えております。
本物の木の手触り、香りの良さを、ご自身の五感で感じ取り、知って頂ければと思います。

木力館では、ご来場された方のお求めに応じ、さまざまな木の家づくりやリフォーム法、各種工法などについて、詳しくお話しさせて頂いております。
この他、木の家づくりやリフォーム、模様替えについて皆様からさまざまなお悩み・ご質問等についても無料で受け付けております。

木の家に興味の有る方、木の家づくり、リフォーム等をお考えの方は、ぜひ木力館までお気軽にお越しください。お待ちしております。

第3回の模様はこちらからどうぞ。