館長 木を語る

館長 木を語る

19.「木と仲良くすると元気になる」事の意味

 館長の私(材木屋のおやじ)は時間があれば朝から材木の加工等の仕事を行っております。時には、よいしょと重い材木を担ぐ事もあります(笑)。
「まだまだ若い者には負けない!」と言う気持ちはもちろん、「木と仲良くすると元気になる」と言う自らの経験から、なるべく木と触れ合う仕事をしております。

「木と仲良くすると元気になる」とは、長年材木業に関わって来た館長の私(材木屋のおやじ)の経験則です。以前もブログでお話ししましたが、今回はその内容に少々肉付けして、改めてお話ししたいと思います。

 少し話がそれて昔話になりますが、現代のようにフォークリフトや便利な重機等が無かった時代は人力で材木を担ぎ、運びました。山から木を運び出す時は木を束ねていかだを組み、川を下り、河口付近等に貯木場を設け、木材を水上に浮かべて保管していました。その「貯木場」の名残が全国各地の「木場(きば、こば、などと呼びます)」などの地名に残されております。
 木を運ぶ時には、切り口(「木口(こぐち)」と言います)を見て年輪の見た目、木の香りの強弱や担いだ時の重さ等で「この木は良い木だ」「これはそこそこ」などと、自分の体の五感を使って、その木の良しあしを判断したものです。
 その過程で「木と仲良くすると元気になる」との経験が生まれた、と言う訳です。

講演会での一コマ。「木と仲良くすると元気になる」が館長大槻忠男の経験則です。

 さて、木は科学的に見てもさまざまな効能があり、例えば杉やヒノキ、青森ヒバ等はその香りが脳をリラックスさせる効果を持つ事が大学の実験等により実証されております。決して「気のせい」ではなく、実際に効果がある事が科学的にも照明されているのです。また香りはもちろん、木はすぐれた特徴を多く持つ素材でもあり、古くからさまざまな木がそれぞれ適した用途に使われてきました。
 木の詳しい効能や特徴等各種については、「館長木を語る」の別項目をご覧ください。こちら等で詳細にご紹介しております。

 一般の方に於いて、日々の生活の中で「木と仲良くする」方法はずばり「木を使う」こと、つまり暮らしの一部に木を取り入れる事が一番ではないかと思います。

 例えば、家の内装に木(無垢材)を使うと、見た目の良さや香りの良さをとても身近に感じる事ができるでしょう。内装全てではなく、家の部屋の壁を1面だけ木の壁にするだけでも、家の雰囲気はがらりと変わります。壁1面だけならさして大工事にもならず費用もそれ程かからないので、木力館としてもお勧めしております。

 内装の木質化については、戸建ての家はもちろん、規約(それぞれの決まり事)が許せばマンションでも施工は可能です。マンションと言うと大抵がビニールクロス貼りの住まいが多いですが、そこの壁の1面に無垢材(木)を使う事で、やはり、住まいの雰囲気ががらりと変わります。実際に施工されたと言う方からも、「壁を部分的に貼り換えるだけでこんなに違うとは思わなかった」と驚きと喜びの声を聞きます。

木力館館内、2階の木の壁の一部を撮影。

 住まいに使う事が難しいなら、普段使いの道具に木製品を使う事も良いでしょう。例えば料理で使う木のまな板には主にヒノキや青森ヒバ、イチョウ等が使われますが、いずれも適度な硬さ・柔らかさを兼ね備えており、包丁の刃先を傷めにくいと言われております。
 この他最近では、木を原料にしたアロマオイル等もさまざまな用途に使えて人気と聞きます。

 とにかく、どんな些細な事でも良いので「木を使う」こと、もっと言えば「国産の木を使う」事で、日本の森林に貢献する事が出来ますし、何より「木と仲良くすると元気になる」と思います。

 国産材を使えば、その木製品を使う人は勿論、木を使われた森林もまた元気になると言う事です。つまり、日本の木を使うと言う事は、日本の木を伐採する事になる、日本で木を伐採するとそこにまた木の苗を植えて育てるので、日本の森林の活性化、林業の再生に繋がると言う訳です。

 一般の皆様がこうした「木に対する意識」を変化させていく事で、日本の森林や林業、国産材の扱い等も、少しずつ良い方向に変わっていくと思います。

 ぜひ皆様も、「木と仲良くすると元気になる」ことを意識し、些細な事でも良いので、実行して頂ければ幸いです。