木力館ブログ

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家を建てる旬について

 台風も過ぎ、ようやく秋の気配が少しずつただよい始めましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。秋の楽しみといえばやはり食べ物(?)ですが、旬の味覚も、海のもの、山のものと、様々な恵みが届きはじめています。

 さて、旬と言えば、「木を切る旬」については以前のブログでお話ししました。今回は、一歩進んで「家を建てる旬」についてお話ししようかと思います。

 実を言うと、現在主流となっている木造建築の工法には、「家を建てる旬」というものは有りません。使用する木材は人工乾燥材が主流になり、短期間であっと言う間に家が建ってしまうので、季節はほとんど関係なくなってしまったのです。


 では、昔はどうだったのでしょうか。
 まだ人工乾燥材もなく、天然の素材・材料だけで家を建てていた頃……もう何十年も前の話ですが……には、確かに「家を建てる旬」が有りました。入梅が終わり、秋口から冬にかけての時期です。
 梅雨の時期は、雨や湿気が多く木材が水分を吸ってしまう為、家を建てるにはあまりよくない季節とされていました。
 夏が終わり、秋となり空気も乾燥し始める時期(9月から10月頃)が、家を建てる旬とされていました。空気が乾燥するので木も乾燥し、木材の加工には最適だからです。思えば、昔の秋口は、家を建てるのに合わせて、木材の需要も多く、材木屋として忙しい時期でした。

 これは、季節の木の生育サイクルを見てもお分かりの通り、新緑から夏の時期にかけては青葉も生い茂り、土中からさかんに水分を吸収し、成長します。やがて秋になり葉も落ちると、木は乾燥します。その一番水分が少ない時期を見計らって、木を伐採する……、これが、前にもお話ししましたが、いわゆる「切旬(きりしん)」と呼ばれる時期のことです。

 勿論、現在も自然素材や天然乾燥材を中心に家づくりをしている工務店さんや施工業者、それを望む家主の方もたくさんいらっしゃいます。このブログをお読みのあなたがそれをご希望なら、「自然素材を使う場合は秋から」と覚えておくとよろしいかと思います。

 自然素材や天然乾燥材が良い理由と言うのは、その素材本来の力を使う事で、素材自体に無理をかけず、また環境にも優しいことが挙げられます。有害な化学物質を加えないので概して健康的である、という理由もあります。人工乾燥材や集成材にはそれぞれ天然乾燥材には無い優れたメリットも有りますが、やはり人工的に無理矢理手を加えて加工する、と言う点から、それを使った家が果たして人や環境に対して優しいのか、と言う疑問もあります。

 皆さんも家を建てると言う時は、「家を建てる旬」についてお考えになってみてはいかがでしょうか。

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