木力館ブログ

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「昔の家づくり」について雑感

 2月になりました。まだ寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。春の訪れはもうすぐかと思います。あとしばしの辛抱です。

 さて、今回は「昔の家づくり」について、少々お話ししましょう。内容は一部以前の繰り返しになってしまいますがご笑覧下さい。

 少し懐古的になってしまいますが、昔はもっとゆっくり、時間が流れていた気がします。現在の様にインターネット網や交通網、物流が発達している訳でもなく、通信手段も限られ、移動も今ほど飛行機や新幹線など発達していない中、人々は身近な自然とじかに向き合いながら、日々暮らしていたのだと思います。

 家づくりも同じです。昔の伝統的な家づくりとは、年単位でじっくりと建てていったものです。例えば1年目は建前(家の骨組み)まで、2年目は屋根葺きと壁の下地塗りを、3年目は壁の仕上げや内装など……。今ではとても考えられないゆっくりとしたペースで、家づくりが行われたものです。

            伝統工法「通し貫工法」の建前の様子(これは昨年建てられたものです)。

 その理由は家により様々ですが、一軒の家を建てるとなると相当なお金がるので、今年はこの部分を、来年はこの部分を……と分けて作ったと言うケースも有ります。また、昔の家の壁材などは土壁、泥壁、漆喰などが主でしたから、そうした壁を最終的に仕上げるには、ゆっくりと、そして長い間じっくりと乾燥させる必要がありました。その為に時間が掛かったのです。

 とにかく、今の様に2~3ヶ月で家が建ち人が住むというのはなかなか考えられない事でした。逆に今は様々な理由により、施工期間はなるべく短く、とにかく短期間で家をつくると言うケースが多い様です。

 勿論、時代背景や社会の仕組みが昔と今では違うのであまり比較はできませんが、こういった家づくりの違いも、頭の片隅に入れておくと知識として役立つ事があるかも知れません。皆様も家づくりの時には、色々調べ、吟味してみると宜しいかと思います。

 木力館は今年も多くのイベントを精力的に開催していきますので、ご期待下さい。また平時も毎日開館、皆様のお越しをお待ちしております。ぜひお気軽にお越し頂き、本物の木の良さを体感して下さい。お待ちしております。

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